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2023.02.06
地業・基礎(立上り打設・スランプ等試験)No.1-10
この記事の目次
1、住宅工事の全体の流れ
2、動画でサクッと見学、住宅工事
3、地業・基礎(立上り打設・スランプ等試験)のお話し
4、この工事で設計者が確認していること
1、住宅工事の全体の流れ
この記事は以下の流れの中で、★印の工程についてです。
1)事業・基礎(遣り方→根切・地業→型枠→捨てコン→配筋→スラブ基礎→★立上り基礎)
2)建方
3)屋根
4)木工事
5)外部サッシ
6)配線配管
7)各職人工程
8)外構
2、動画でサクッと見学、住宅工事
タイトル:地業・基礎16(立上り打設・スランプ等試験)※ご注意:音声あり!
今回はちょっと長めの動画ですが、検査員さんがいろいろ教えてくださいましたので、できるだけ通しの行程載せました。
3、地業・基礎(立上り打設・スランプ等試験)のお話し
生コンクリートが適切かどうか、受け入れ試験を行います。いつも行っているわけではなく、役所から求められた場合、お施主様がご希望の場合に行っています。
タイミングとしては、コンクリートミキサー車がプラントから現場まで生コンを運搬した直後、生コン打設の直前です。ベース部を打設する際、立上りを打設する際、日程が違う場合はそれぞれ同じように試験を行なっています。
この試験は、基礎屋さんや生コンのプラントの会社ではなく、第三者機関の検査員にお越しいただき厳正に行なっています。検査結果は必ず写真に残すとともに、配合計画書などと相違がないか確認しています。
検査員さんと楽しく色々とお喋りさせていただき、そして何十年も変わらない試験スタイルと使い込まれた道具、慣れた手捌きがかっこよかったです〜。
4、この工事で設計者が確認していること
(1)スランプ試験に立ち会い手順が適切か、許容値内かどうか確認します。
・圧縮強度試験のためのテストピースの作成(写真左):持ち帰って、1週間後と4週間後に圧縮強度試験を行い、確認します。
・スランプ試験(写真中央):流動性の確認を行っています。スランプコーンに生コンを入れて、抜き取った後に、どのくらいコンクリート頂部が下がるのか。下がりが大きいほど流動性が高い。許容値内かどうか確認します。数値15cm~18cm(±2cm)がよく使われるスランプ値です。
・空気量の確認(写真奥):生コンに対する空気の割合(%)、空気量はコンクリートが流動する際の摩擦の低減に効果があり、3~6%程度が適切です。
・温度の確認(写真手前):5~35°C、夏か冬か現場の気温によって違います。今回の現場の気温10°Cの場合、生コン温度は12°C程度で適切。
・塩化物含有試験(写真右):コンクリートに塩化物が多いと、鉄筋の腐食の原因にもなり、鉄筋膨張によるコンクリートの割れの原因にも繋がります。生コン中の塩化物総量は0.30kg/m3以下が適切です。
(2)配合計画書を確認します。
・水セメント比:水とセメント骨材の配合を確認。コンクリートの強度は水とセメントの重量割合で決まります。少ない水練った方が強度は高まり、また水を透しにくくひび割れに強いコンクリートなりますが、打設の際には鉄筋の隅々までコンクリートを行き渡らせるために流動性も必要。水セメント比50~60%が適切です。
(3)納品書を確認します。
・JIS規格の工場か
・プラントからの運搬時間は90分以内か
【現場のご説明】
高性能でコスパの良い 「都市型のログハウス」を作れたら。無垢材の木の恩恵・ぬくもりに包まれる住み心地を、山や海辺の暮らしだけでなく、都市の暮らしといった多様なスタイルのある暮らしに馴染むように。私たちは “トシログ(都市ログ)” という愛称で、このプロジェクトを育てています。
2021年春、アトリエM.A.R.で「都市型のログハウス」一棟目の構想が始まりました。福島県会津の地で芳賀沼製作さんのパネルログ構法との出会い、都市に馴染む性能とデザインの検討、ウッドショック等でのコスト・計画変更、初めての構法による工事に試行錯誤すること2年半、チームの技術と熱意を詰め込んでいます。