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2023.02.04
地業・基礎(立上り打設直前・配管)No.1-8
この記事の目次
1、住宅工事の全体の流れ
2、動画でサクッと見学、住宅工事
3、地業・基礎(スラブ打設)のお話し
4、この工事で設計者が確認していること
5、この現場の独特なポイント – トシログ モデルハウス
1、住宅工事の全体の流れ
この記事は以下の流れの中で、★印の工程についてです。
1)事業・基礎(遣り方→根切・地業→型枠→捨てコン→配筋→スラブ基礎→★立上り基礎)
2)建方
3)屋根
4)木工事
5)外部サッシ
6)配線配管
7)各職人工程
8)外構
2、動画でサクッと見学、住宅工事
タイトル:地業・基礎14(立上り打設直前・配管)※ご注意:音声あり!
3、地業・基礎(立上り打設直前・配管)のお話し
再び給排水屋さんにお越しいただきました。
前回、ベースコンクリート打設前にも、基礎から直接地中に隠蔽するスリーブについては行いました。
今回は、立上り部に貫通するスリーブです。
繰り返しになりますが、立上り部に設置するスリーブの方が、見た目が優先されない場合にはメンテナンスしやすいという点でおすすめです。もう一つ、メンテナンスの点で、直管をそのままコンクリートに埋め込むのではなく、直管を通すためのスリーブを埋め込むように施工するのが一般的です。
また、材料は、硬質塩化ビニル管のうち、肉厚の厚いVP管とします。(VU管は安価ですが荷重によっては破損が心配)
コーナー部には、物が詰まった時のために、掃除口を複数設けます。
とにかくメンテナンスのしやすさをとことん考えます。
4、この工事で設計者が確認していること
・スリーブだけでなく、この時点で、屋内の配管ルートも合わせてもう一度確認したいところ。
・スリーブの数量や径:床下を通る配管は、排水管、給水管、電気配線、エアコンの冷媒管やドレンなどあります。①独特な設備がある場合には、配管の数量や径に不足がないか念入りに確認。②将来設備用にもスリーブを余分に開けておくと良いです。
・配管や配線との干渉状況:①屋内で、配管のルートの合理性の確認。②他の配管とクロスしていないことが望ましいですが、クロスする場合は床下の高さは十分か?
・排水管の勾配に要注意:配管のなかでも排水管には径によって水勾配がそれぞれ決まっています。急すぎても、緩すぎてもNG。①1階の床の高さから割り出して、屋内からスリーブに向かって、勾配がきちんと取れているかどうか?②またスリーブから外に向かって、外からの水の侵入を防ぐため勾配がついているか?確認します。③基礎内を室内とする場合は立上りに40mm程度の止水板を設置、これを見落とさないように、、、。
・スリーブと他の機器類との干渉状況:スリーブと外壁に設置される給湯器やエアコンの室外機、点検口と干渉していないか確認
・スリーブと柱の干渉状況:スリーブが負荷のかかる柱の直下にないかどうか確認
・材料が適切か確認します。
5、この現場の独特なポイント – トシログ モデルハウス
今回は2世帯住宅ということと、将来の太陽光や床暖房に備えたため、スリーブが多めに開けられています。配管を合理的に行うための計画上の工夫としては、水回りはできるだけ1箇所にまとめ、外壁側に寄せるように計画しています。
【現場のご説明】
高性能でコスパの良い 「都市型のログハウス」を作れたら。無垢材の木の恩恵・ぬくもりに包まれる住み心地を、山や海辺の暮らしだけでなく、都市の暮らしといった多様なスタイルのある暮らしに馴染むように。私たちは “トシログ(都市ログ)” という愛称で、このプロジェクトを育てています。
2021年春、アトリエM.A.R.で「都市型のログハウス」一棟目の構想が始まりました。福島県会津の地で芳賀沼製作さんのパネルログ構法との出会い、都市に馴染む性能とデザインの検討、ウッドショック等でのコスト・計画変更、初めての構法による工事に試行錯誤すること2年半、チームの技術と熱意を詰め込んでいます。