
都市型ログハウス
☆日本エコハウス大賞2024 受賞
https://builders-ecohouse.jp/
☆ウッドデザイン賞2024 受賞
https://www.wooddesign.jp/
☆IF AWARD 2025 受賞
https://ifdesign.com/en/winner-ranking/project/urban-loghouse/713661https://www.wooddesign.jp/
「都市型ログハウス(トシログ)®」とは、
無垢材の木の恩恵・ぬくもりに包まれる住み心地を、 都市の多様なスタイルの暮らしに適応するよう設計し、 循環経済に繋がる仕組みをデザインした建物のことです。 “トシログ” という愛称で、このプロジェクトを育てています。
【1】自然の中で過ごすなかでの思い:
常々、森に佇んだ時の気持ちの良い空気感や木々の密度感を都市の住宅地でも楽しむことはできないか、という想いを抱いていました。
山で過ごすログハウスも素敵だけれど、都市部は山のように窓を気持ちよく開くことができる環境ばかりではなく、快適な暮らしを充足できるとは必ずしも言えない・・・。
そこで、都市部に建てることを前提として、1種換気が可能な高性能な「都市型ログハウス」を市場に提案したいと考えました。
まずは、住まい手にとって、森の恩恵を享受し居心地の良い建物でありたい。
そして、森を削り出してできたその建物は、都市のまんなかに宿る小さな森となり、新しい街並みを作り出していくものでありたい。
さらに、山の循環や地域経済へ貢献し、私にとっても自然の循環の中でポジティブな歯車となって取り組めるものでありたい。
【2】技術を持った製材所(株式会社芳賀沼製作)との出会い・共感:
福島県南会津で角材パネル(パネルログ構法®)を開発する製材所と出会いました。 同構法は、災害仮設住宅のために開発、その後一般住宅用に改良され、施工性・ 耐力・防火性能観点で合理的な構法でした。また、製材所による、「この技術はオープンであり、全国で活用されることで 我が国の林業の発展に繋げたい」という思いに共感しました。
当時、福島県周辺エリア以外での実績はほとんどなかったため、設計者は、製材所が撒いた”種”を、地元神奈川で”苗木”として育て、全国に提案 できる仕組みとしたいと考えました。
2021年春、アトリエM.A.R.で「都市型のログハウス」一棟目の構想が始まりました。福島県会津の地で芳賀沼製作さんのパネルログ構法との出会い、都市に馴染む性能とデザインの検討、ウッドショック等でのコスト・計画変更、初めての構法による工事に試行錯誤すること2年半、チームの技術と熱意を詰め込んでいます。
https://youtu.be/dI74cR-Vk2c?si=hT4-HDxF8VCCoX_R
私達は、国産無垢材の活用によって、その住み心地を享受することに加え、我が国の森林・河川・海岸(災害・砂浜後退・花粉等課題)の循環に貢献し、人と環境が健全な関係を再構築するプロジェクトでありたいと考えています。なお、本計画は一般的な住宅の約4倍という圧倒的な木材の使用量(当社比)です。
・国産無垢材に包まれる心地よさ
(肌触り・香り・木目の美しさ・漆喰等の自然素材との組合せ)
・森の風景を切り出したような佇まい
・消費されないデザイン
・山の循環
本計画は、無垢材が本来持つ性能(※1)を生かしながら、高気密高断熱の一定基準(※2)をクリアした上で第一種換気システムを計画し、快適な住環境を実現しました。また、新築住宅の標準設計として、DELTA Pro(蓄電池)+スマートホームパネル(以下SHP)をオフグリッドな給電方法で組み込むことで、省エネやりモートワーク、非常時対策等、時代に合った性能を搭載しています。
※1調湿、蓄熱、静寂、肌触り、香り、木目美、耐震性(粘り)、防火等
※2長期優良住宅認定(断熱等級5、UA値:0.59W/(m²K)、nAC値:冷房期 1.4、C値:0.81cm²/m²、耐震等級3)
本計画は、パネルログ構法(※3)にて設計を行うことで、工場生産の規格型角材パネルによる品質確保と加工の効率化、施工工程の短縮・廃棄量減等のコストパフォーマンスを見込んでいます。(※4)また、合理的に設計(※5)を行うことで、竣工後の容易な建物保全・長寿命化にも配慮しています。
※3耐力・防火・断熱・仕上げが一体となった無垢材の壁パネル
※4工事費見込(トシログ®の場合):税抜3000万円〜/坪単価:120万円〜
※5ダクトスペースのゆとり、設備の集中配置とゆとりのある点検スペース、第1種換気のダクトレス・チャンバー方式)
市場の透明性に踏み込み、 設計者が製材所と直接取引することによって、生産者への還元・消費者への価格の透明性を目指しています。合理設計・製材機の地域シェア による、地産地消のチーム作りにより、地域経済へ貢献していきます。
延床面積|約120㎡(法床+ロフト)
所在地|神奈川県藤沢市
基本設計・実施設計・工事監理|アトリエM.A.R.
設計協力|宮本善州
構造設計|K&K建築設計
施工|有限会社高島工務店
パネルログ構法開発・製材・加工|株式会社芳賀沼製作
蓄電池| DELTA Pro(蓄電池)+SHP:EcoFlow Technology Japan 株式会社
断熱材| シュタイコ zell 輸入元(断熱材):株式会社イケダコーポレーション
第一種換気| エクリア:株式会社ノースビルドジャパン
竣工|2023年6月