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2022.12.27
地業・基礎(遣り方)No.1-1
この記事の目次
1、住宅工事の全体の流れ
2、地業・基礎(遣り方)のお話し
3、この工事で設計者が確認していること
4、この現場の独特なポイント(トシログ モデルハウス)
1、住宅工事の全体の流れ
この記事は以下の流れの中で、★印の工程についてです。
1)事業・基礎(★遣り方→根切・地業→配筋→基礎)
2)建て方
3)屋根
4)木工事
5)外部サッシ
6)配線配管
7)各職人工程
8)外構
2、地業・基礎(遣り方)のお話し
建物の位置や大きさ、基礎の高さや水平など、敷地に図面から敷地に写していく工程です。このあとの全ての作業の基準となります。
大工さんのお仕事になります。今回の工務店さんは、なんと3兄弟で大工さん!なのですが、この物件のご担当は次男坊の大工さんで、これまで他のご兄弟にお会いしたことがなかったのですが、、、この日、何やらお顔や背格好が似ている大工さんだなぁと思っていたら、長男の大工さんがお越しくださってました。やっとお会いできた。いつか、三男坊の大工さんにもお会いできるかな?
さてさて、
・まずは、隅部に水杭(みずぐい)と言われる杭を打ちます。(写真の垂直に立っている木材です)水糸(みずいと)を張って、それをガイドに、ある程度の間隔でさらに杭を打ちます。
・その後水平に水貫(みずぬき)と言われる貫を渡す。(写真の水平な木材です)この貫に高さを写し取っていきます。基礎を打ち終わるまで、この高さや水糸は基準となる大切なものです。
3、この工事で設計者が確認していること
設計者が行う工事監理では、周辺環境や敷地において、建物の位置が適切か確認します。
・周辺や敷地に関することは、自分の計画だけではなく、周囲にも関係してきますので、後々揉め事やストレスにならないよう、しっかり確認したいですね。
・例えば、建築基準法上、地域によっては道路や隣地からの斜線制限があり、それによって建物の高さが決まってくるのですが、「遣り方」の際の建物配置で道路や隣地に寄りすぎていると法規違反になってしまいます。要確認です。
・その他、既にある植栽や隣地ブロックが意外と迫っていたりすると、外回りの計画を考慮し微調整もありえます。住宅ではエアコンの室外機の設置場所を再確認すると良いですね。
・隣地や道路との高さ関係もよくわかるタイミングです。雨水が自分の敷地や隣地に水がたまらない設計になっているかどうか、などもよく確認しています。
4、この現場の独特なポイント
・一般的な住宅よりは高い基礎なので、水平材の貫も高めの設定にしています。
さて、なぜ高基礎なのかは色々複合的な理由なのですが、一つは、床下まで有効活用できるので収納分の床面積を増やすことができるということもあり、その選択を行いました。
【現場のご説明】
高性能でコスパの良い 「都市型のログハウス」を作れたら。無垢材の木の恩恵・ぬくもりに包まれる住み心地を、山や海辺の暮らしだけでなく、都市の暮らしといった多様なスタイルのある暮らしに馴染むように。私たちは “トシログ(都市ログ)” という愛称で、このプロジェクトを育てています。
2021年春、アトリエM.A.R.で「都市型のログハウス」一棟目の構想が始まりました。福島県会津の地で芳賀沼製作さんのパネルログ構法との出会い、都市に馴染む性能とデザインの検討、ウッドショック等でのコスト・計画変更、初めての構法による工事に試行錯誤すること2年半、チームの技術と熱意を詰め込んでいます。