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2024.05.06
建方(剛床・火打梁)No.2-7
この記事の目次
1、住宅工事の全体の流れ
2、動画でサクッと見学、住宅工事
3、建方(剛床・火打梁)のお話し
4、この工事で設計者が確認していること
1、住宅工事の全体の流れ
この記事は以下の流れの中で、★印の工程についてです。
1)事業・基礎
2)建方(プレカット、土台、★上棟、金物、耐力壁)
3)屋根
4)木工事
5)外部サッシ
6)配線配管
7)各職人工程
8)外構
2、動画でサクッと見学、住宅工事
タイトル:建方11(剛床)_030 ※ご注意:音声あり!
3、建方(剛床・火打梁)のお話し
地震に強い家を作るには、壁に「耐力壁」や「筋交」を適切に入れることのほか、床や屋根も適切な範囲を固めなくてはなりません。
壁=「鉛直構面」と、床や屋根=「水平構面」で、変形することのない計画とするのです。
具体的には、合板を横架材(梁・胴差・根太)に直接ビス打ちして固める「剛床(ごうしょう)」、又は、建物の隅部に「火打(ひうち)梁」を計画します。近年は、効率の良い「剛床」が用いられることが多いです。
↓左の写真:2階の「剛床」、右の写真:2階の「剛床」の見上げ
※梁の少ない部分は、足場として合板が置いてあるだけです。
↓左の写真:段差のあるロフトの「剛床」、右の写真:屋根の「剛床」
↓左の写真:「ブレース」、右の写真:「火打梁」
剛床の工事が行われる一般的なタイミング
①前日までに、土台→床組→1階の剛床
理由:たくさんの大工さんを投入する上棟は効率よく、戸建の場合は1日で終えるのが望ましいです。そのため、適切なタイミングで床を作ることで、落下の心配もなく効率よく安全に、大工さんたちが作業できるようになります。
②上棟当日:1階の軸組→2階の剛床→2階の軸組→屋根の剛床
理由:剛床の施工を適宜サンドイッチしながら上棟が行われます。軸組が組み上がってからゆっくり施工しても良さそうに思えるのですが、剛床は梁等の上に直接ビス打ちすることもあり、通常はこの工程の方が素直で効率が良いです。
吹抜けの施工
剛床や火打とは関係ありませんが、、、
大工さんが効率よく安全に、と言うことを考えた時に吹き抜けはどうやって施工しているのか?
↓写真:内部足場、写真
4、この工事で設計者が確認していること
・合板の刻印の確認:JAS規格に基づく適切な厚み、ホルムアルデヒド放散量等が表示されているか?
・床を支える梁と根太:天端が揃っており、合板を適切に支えられるか?梁間隔(910mm)、根太間隔(≦340mm)、ビス間隔(N75やN50の指定ビスにて150mm)は適切か?
・水平構面が必要な範囲の水平垂直の繋がり:1フロア内で段差がある計画の場合などは、段差の垂直の部分も合板が適切に施行され繋がっているか?
【現場のご説明】
高性能でコスパの良い 「都市型のログハウス」を作れたら。無垢材の木の恩恵・ぬくもりに包まれる住み心地を、山や海辺の暮らしだけでなく、都市の暮らしといった多様なスタイルのある暮らしに馴染むように。私たちは “トシログ(都市ログ)” という愛称で、このプロジェクトを育てています。
2021年春、アトリエM.A.R.で「都市型のログハウス」一棟目の構想が始まりました。福島県会津の地で芳賀沼製作さんのパネルログ構法との出会い、都市に馴染む性能とデザインの検討、ウッドショック等でのコスト・計画変更、初めての構法による工事に試行錯誤すること2年半、チームの技術と熱意を詰め込んでいます。