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2022.10.17

外部空間の有効活用、拡がり感のある計画

アトリエM.A.R.では、お庭や眺望などの「外部空間」と、リビングなどの「内部空間」との関係性を大切にしています。限られた面積の中で、できるだけ「内部空間」に拡がり感を持たせることで、住み心地の良い計画にしたいと考えています。

【1、事例のご紹介】

「House in Ohasu」では、奥に細長い長屋の敷地に、玄関周りの「前庭」とリビング周りの「中庭」と2つのお庭を設けることで、2つのお庭がまるでリビングの一部のように感じられる一体的な計画としました。加えて、中庭の計画は、自然採光や自然採風にも有利に働きます。プライバシーにも配慮しているためカーテンがなくても開放的にお過ごしいただいているようです。実際に、コロナ禍でステイホームが続いていた初期の頃に、お施主様から快適にお過ごしいただいている、とお声をいただいた時は嬉しく思いました。

【2、2つのお庭が生まれた背景】

もう少し詳しく、背景やテクニカルな部分をお伝えします。お庭を設けることはある程度コストがかかるものですので、全体計画の中で優先順位が難しいと思います。しかし、この計画の2つお庭は、わざわざ設けたということではなく、土地やライフスタイル等の与条件を整理する中で、合理的に生まれた計画です。

この敷地は、用途地域が準住居地域で建蔽率60%でした。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、どんな敷地にも建蔽率というものがあり、敷地面積いっぱいに建物を建てることができません。

例えば敷地面積100㎡で建ペイ率が60%の場合は、建物は60㎡分しか建てられないので、残りの40㎡は、隣地との離隔や駐車場、お庭等、何らかの「外部空間」になります。建物配置は、以下の図のように様々なパターンが考えられます。(ちなみに、今回の計画は、この図の「h」、外部空間を2つに分けて前庭と中庭としました)

今回の計画は、建築基準法上建ペイ率60%という制限の中、計画上58%まで有効活用し、残りの「外部空間」はお庭として建物に取り込み、「内部空間」の床面積以上の拡がり感を持たせることができたのではないか、と思っています。コストパフォーマンスの良い計画を心がけていきたいと思います。

ご計画はいつの間にか始まっているもの。

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