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2026.03.31

新月伐採・天然乾燥!静岡県天竜区の製材所に行ってみた

今回は静岡県天竜区にある製材所、天竜T.S.ドライシステム協同組合さんの工場の見学に行ってみました。「月齢伐採・新月伐採」という何や素敵な響きの伐採方法と「天然乾燥」って結局どんなメリットとコストなんだっけ?ということを学びにやってきました。朝5:00起きで、家から4時間、、、なかなか遠い道のり。周辺はダムや発電所もあり、昔から杉の名産地、仕事している山の姿がここにありました!

さてさて到着しました。

1、山でのこだわり

(1)木の旬を逃さない
昔から月の満ち欠けによって地球や生物はその影響を受けてきました。木もまた、月に合わせてその生命活動を変化させています。
木材の旬である冬季(9〜2月)の特に新月期に「月齢伐採」した木は、水分・養分が少なく、腐りにくい・かびにくい、狂いにくい、という特徴を持ち、さらに、色艶と香りの良い、丈夫で良質な木材になります。

大変面白かったのは、まさに新月の日に「新月伐採」した木杭と、満月の日の伐採した木杭を、同時に地中に差して1年後に取り出すと、こちらの写真のようにシロアリによる被害が一目瞭然、実際に手に取り見せていただきました。「新月期」は養分=主にデンプンが少ない状態で伐採できるということが、シロアリ被害に強い材料を生産するポイントです。

(2)ゆっくり葉を枯らすこと
伐採後、杉は3ヶ月、ヒノキは1ヶ月ほど、伐採場所でゆっくりと葉を枯らします。水分が減ること(重量が減ること)による運搬メリットに加え、木材にとって大切な「天然フェノール成分」=カビや腐朽菌を寄せ付けない成分、が作られます。

製材所のデメリットとしては、山の中に寝かすことで資金回収に時間がかかることや、辺材が若干傷みやすいため材料ロスはやや出てしまうこと。青カビへの強さや、香りの豊かさというメリットは確かにあると思いました。

(3)じっくり熟成させること
製材工場に運ばれた木材は、屋外で約2ヶ月、その後平均1年以上を屋内でじっくり熟成させることで、丈夫で身の締まった良材となります。

木が反ったり強度が低下する原因は水分が抜けきっていないためです。「水分」のない乾燥した木材とすることが大切です。

通常私たちが目にする構造材は、ほとんどが輸入された集成材、良くても人工乾燥の無垢材なのです。ここでは無垢材の比較をします。乾燥には「人工乾燥」と「天然乾燥」の主に2種類があり、「天然乾燥」は出荷まで1年以上、「人工乾燥」は早ければ2週間で出荷できてしまう場合もあります。こんなに違うのです。国は1980年代の構造改革時代に、建設業を押し進めるために、乾燥した良質な木材を効率的に生産するため「人工乾燥」を普及させましたが、「人工乾燥」は「水分」と同時に「油分」も洗い流してしまっていました。

木が地震に対して粘り強くしなったり、光り輝く艶を維持するには、「油分」が必要です。なんだか人間の肌と同じですね。

もうお分かりかと思いますが、「水分」をなくし、「油分」を維持する、その方法は「天然乾燥」しかないのです。デメリットとしては、1年以上乾燥させる必要があることから、急な大量供給が難しいです。それでも安定供給するためには広い敷地が必要。天竜T.S.ドライシステムさんはとても広い敷地を保有していらっしゃるので実現が可能なのですね・・・お見それいたしました。

一緒に行った仲間の左官屋さんによると、漆喰の下に使う細い下地材はこれまで施工後に反ってしまい漆喰にひび割れができたりしていたが、ここの材料を使うとそれも無くなった、とか。そんな繊細な材料で差が出るなんて、とても期待ができます。

(4)バーコードによる追跡を導入

全ての木に、育った場所から管理No.とバーコードで徹底管理することで、食品産地証明のように、嘘、偽りのない素材であることを確認できます。バーコードによる追跡項目:生産者、生産地、GPS、樹種、伐採日、伐採者、造材日、葉枯らし期間、製材日、天然乾燥期間、出荷日、出荷先

社長が「10年モノの珍しい材料です!」「3年前からここに置いていてシルバーグレーに美しく変色しました」と色々な材料を見せていただくたびに、ワイナリーのようだなと思いました。

(5)価格の透明性

これは弊社アトリエM.A.R.のテーマでもありますが、木材市場のブラックボックスに踏み込み、商流を減らし、山林家(生産者)や施主様(消費者)が適正な価格で取引できるようにしたい。天竜T.S.ドライシステムさんも同じ考え方で、様々な加工機をお持ちなので会社の中でワンストップで完了、そして一見さんから直接同じ価格で販売してくださいます。このようにしてたくさんの方が日本の木を使い、植林され、山が健全に循環し再生していくと良いなと思います。

↓丸太のカット。仕上げの加工機に入る前の、1次製材です。2段階で機械を使っておられました。大きい・・・!

↓2段階目。次の仕上の加工機に入る寸法まで削ぎ落としていきます。

↓仕上げのカット。4枚の刃が入る4軸プレナーは両側10mm以内ずつを削り、磨きながら整形していきます。シンプルな構造材など向きでしょうか。

↓仕上げのカット。6枚の刃が入る6軸プレナーはもっと複雑で精度の高い加工も可能です。例えば仕上のフローリング材や、でこぼこした嵌合加工(弊社のタテログ工法で使う木質パネル)などです。

↓仕上げの磨き。カンナがけで艶々に。表面を、紙のようにペラッと薄ーくスライスして仕上げます。

↓こちら、高さ25mの1本の杉からできる材料です。柱材は4m材が4玉(4本という意味)その他は柄材などもろもろ。

(6)その他思い出
ご用意いただいたお弁当や豚汁、おみかんも美味しく、工作までさせていただきありがとうございました〜。

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天竜 T.S.ドライシステム 公式ウェブサイト
https://www.ts-dry.com/

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