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2024.01.15
WOOD COLLECTION 2024のレポート
先週、WOOD COLLECTION 2024(通称:モクコレ)を観に行ってまいりました。(東京ビッグサイト)お付き合いのある南会津の芳賀沼製作さんも出展されていて、ちょうど私が行った時間帯で藤本壮介さんの講演会も行われていました。日の本中から木材に関わるメーカーさんが集まっており、ほとんどが国産材、業種はどちらかといえばプロダクト関係が多かったように思いますが、今後お付き合いしてみたいなと思う建材メーカーさんも多くおられ、勉強になりました。
講演会の感想
藤本壮介さんが万博会場を木造で作った意図として「世界の技術に、追いつき、最前線に躍り出る」と説明されていました。また、その中で「日本の木造技術は遅れている」とおっしゃっていました。法隆寺に代表されるように日本の木造技術は歴史的には高かったものの、今何が起きているのか?「遅れている」といっても色々な観点あるかと思いますが、「フランスなどは学校のプロポーザルに木造にすることと明言されている」とおっしゃっていたことから中大規模の公共建築について言及しているのかな、と思いました。
ここからは私の考えですが、確かに公共建築では遅れているのかもしれません。その理由の一つとして、林業をこれまで育ててこなかったため大量に木材を使うにしても輸入に頼るしかなく、舵を切りにくい現状もあるかと思います。住宅供給時期(80~90年代)に、国がコストダウンを目論んで輸入集成材を推進し、ハウスメーカーのプレファブ技術がそれを加速させた経緯。(実際には中間マージンが増えてコストダウンにはならなかったと言われている。そして木材が注目され始めた頃には近年はすでに人口減少で住宅需要は他国より低い現状…)。密集して住んでいる都市(防火耐火の基準)、地震大国であることなど、国特有の事情。ひとえに木質化といっても、それぞれの国の経緯や事情、木質化を推進する目的も異なるでしょうし、各国の動向を深掘りすると面白そうです。
日本の国産材活用の背景
↓日本の森林面積は国土の70%、S41からほぼ変わっていないが、「伐り時」の木は5倍に増えている
↓1020万haの人工林50%が50年を超える(70年くらいが建材としてちょうど良いと言われている)。高齢の木は二酸化炭素を吸収しない。人間の側のメリットとしては、新しく植え替えてあげる必要がある。
↓一方自然側に立った時も、間伐をしてあげることで、光が差す明るい森に。光が入らないと樹木の足元の多様性がなくなり地面が固まり災害が発生する恐れがあります。
↓森林が持つ多面的機能。数字は林野庁あたりが算出したのでしょうか、、、?もちろん眉唾なところはあるでしょうけど、林業が色々なところで繋がっていることがわかります。
↓「伐る」→「使う」→「植える」→「育てる」のサイクルで、森林の循環、日本の林業の明るい未来へ。
↓CO2と木材、私たちの生活で排出するCO2を杉の本数に換算するとなかなかの量ですね!
日本の林業
↓素敵な模型。ちょっと欲しい!「伐り時」の丸太からこれだけたくさんの材料が!柱となる材料から家具材まで。無駄なく使うこと(=歩留まりが高い、という)もそう簡単ではありません。使いきれない部分はせめてチップや薪などにしたいところ。歩留まりの高い活用のためには、曲がりのないちょうど良い年齢の木材が望ましい。
↓日本のサプライチェーンは上流の山の方々にほとんど還金されない仕組みと言われています。集成材の輸入を促進した背景が大きい。
↓林業ともっと近くなる活性化の取り組み。日常のアクティビティの一つにも良いと思う。先日、林業を応援するため「チェーンソー大会」を開催したい、とおっしゃっていた方(古民家再生協会、群馬支部の黒田氏)がいて、スポーツにしてしまうのも面白いなと思いました。
日本の木造技術
↓私には今のところご縁はないですが、中大規模な建物に使うエンジニアリングウッド
藤本壮介さんのお話に出てきた万博会場
・G20やオリンピックよりも長い滞在期間で文化を携えた多様な人が集まる貴重な機会
・「リング」状であるのは、老若男女誰がみても一体感を感じられるような意図
・木造であるのは、「世界の技術に、追いつき、最前線に躍り出る」会場づくりを意図
https://mag.tecture.jp/culture/20220713-expo2025/
(写2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)大屋根(リング)外観イメージパース。出典:2025年日本国際博覧会協会)
おまけ。我が家に欲しいと思ったプロダクト
・ペラペラの木材技術を活用した手帳。肌触りが気持ちよい〜
・木製チャリ(木部は湘南の塩害にも強そう。笑)
・駐車場のコーンを木にするとほっこりする。DIYで作れそう!