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2024.05.24

建方(シロアリ対策)No.2-11

この記事の目次

1、住宅工事の全体の流れ
2、動画でサクッと見学、住宅工事
3、建方(シロアリ対策)のお話し
4、この現場の独特なポイント(トシログ モデルハウス)

1、住宅工事の全体の流れ

この記事は以下の流れの中で、★印の工程についてです。

1)事業・基礎
2)建方(プレカット、土台、上棟、金物、耐力壁、★番外編)
3)屋根
4)木工事
5)外部サッシ
6)配線配管
7)各職人工程
8)外構

2、動画でサクッと見学、住宅工事

タイトル:建方12(シロアリ対策)_031 ※ご注意:音声あり!

3、建方(シロアリ対策)のお話し

シロアリ被害について

地震、自然災害、火災、住宅は外的要因に耐えられるよう一定の基準を守って計画されていますが、木造住宅において同等に恐ろしく対策が必要なのがシロアリです。この見えない外敵はじわじわ住宅を侵食し、気がついたときには手遅れになることも、、、。古民家を改修することが多くありますが、ほぼ100%目視で何らかの被害が確認できます。放っておくと、大切な構造材である、土台や柱、梁の内部を食い荒らされてスカスカの状態になってしまうのです。

シロアリはおよそ2種類に分かれ、日本に昔からいるシロアリは地面を這ってやってきます。湿気と暗いところが好きな性質があります。一方で、最近は輸入家具などに紛れて外来種が確認できることもあり、これは数十mを飛来してやってきて乾燥した木材でも好む特質があります。後者は少々厄介です。

シロアリ対策の種類

シロアリ対策にも色々ありまして、

(1)材料選定:シロアリに強い木材を選定する
 シロアリが好きな柔らかい木の代表格はマツ材やモミ材、2×4材によく使われるホワイトウッドなど。構造材としてはスギ・ヒノキ、家具材によく使われる広葉樹は硬いので比較的強く、さらにそれぞれの木材の中心部分を含んだ芯材はシロアリが苦手な香りがあるため強いです。

(2)防蟻対策が施された建材:
・土台と基礎の間に防蟻シートを施工
・外断熱材は防蟻対策が施された商材を選定

(3)材料へのアプローチ:
・新築時に地面から1mの高さにある木材に防蟻塗料を塗装する
・ホウ酸処理と言われる方法もあり、柱などを張り出さして薬剤を注入する。このホウ酸は人体への健康被害や揮発による吸入の心配もなく、持続性もあり、厄介な外来種にも適していると言われています。
・日本ではあまり行われていませんが、家全体をテントで覆って、燻製処理することもあるようです。

(4)土壌へのアプローチ:
・床下が外部の場合は床下に薬剤を散布する
・基礎の周辺の土壌に散布する。食用の野菜などには注意が必要ですが、そもそも家にシロアリを近づけさせない効果があります。DIYで土に混ぜ込むこともできますが、メーカーによっては基礎の周りにパイプを埋め込む方法で、定期的に薬剤を圧力で流し込む方法もあります。

メンテナンス

・なかなか恒久的な対策はなく、どんな対策もだいたい5~10年で効果が切れると言われています。
・定期的に対策を行うなどが必要です。
・現在の生息エリアが限られているとはいえ、外来種の飛来は厄介です。対策としては、日本の古来種よりも体が2倍あるので目視はしやすく、2階の窓枠や柱の隅に羽や糞粒、奇妙な木屑(齧ったもの)溜まっていないか、を時々チェックするのが有効のようです。

4、この現場の独特なポイント

今回のパネルログ工法で行っているシロアリ対策は、

(1)材料選定:スギの芯材、比較的硬めの材料で芯の部分を使っているのでシロアリが苦手な香りを発しています。

ちなみに、この建物はほとんど構造材が剥き出しですので、何か問題があれば比較的早期発見できるのではないかと考えています。

(2)シロアリ対策が施された建材:
土台と基礎の間のシート:アリダンシート
断熱:スタイロフォームAT

(3)材料へのアプローチ:着工前、材料に防蟻塗料(アリシスゴールド)を2度塗り。
木材に紫外線などの対策で塗装している別の塗料(キシラデコール、浸透系の塗料)とも相性がよいことから選びました。どちらかが造膜系だと効果を発揮しません

☆コスト:作業はDIYで、材料は8万円程度。防蟻塗料としてはやや効果です。

(4)土壌へのアプローチ:基礎完了・外廻りの給排水菅施工完了後、タームガードを施工。
パイプを埋め込むタイプで、メンテナンス性を重視しました。

☆コスト:最初の施工は10万円程度、5年に保証、5年毎に再度注入する薬剤に10万円程度の費用がかかります。

【現場のご説明】

高性能でコスパの良い 「都市型のログハウス」を作れたら。無垢材の木の恩恵・ぬくもりに包まれる住み心地を、山や海辺の暮らしだけでなく、都市の暮らしといった多様なスタイルのある暮らしに馴染むように。私たちは “トシログ(都市ログ)” という愛称で、このプロジェクトを育てています。

2021年春、アトリエM.A.R.で「都市型のログハウス」一棟目の構想が始まりました。福島県会津の地で芳賀沼製作さんのパネルログ構法との出会い、都市に馴染む性能とデザインの検討、ウッドショック等でのコスト・計画変更、初めての構法による工事に試行錯誤すること2年半、チームの技術と熱意を詰め込んでいます。

ご計画はいつの間にか始まっているもの。

ちょっとした疑問やご不安、
まだ遠く将来の夢、
まずはお聞かせください。