Works

私たちの実績

ゲストが集う縁側のある古民家   

「House in Itoshima」

伝統工法の建物の予算1000万円の改修、工事範囲を絞った内装デザイン・設備の高性能化・外装の劣化対策・断熱対策である。きっかけは、縁側の雨戸が重たいため木製からアルミ製に変更したいというお話から始まり、来客が宿泊できるスペースを作るという目的を導き、予算を考慮しながら、優先順位を整理し進めた計画である。

建物は糸島の田園風景の中に佇む立地にある築100年の伝統工法の建物、16畳のお座敷が南面の庭園に面した構成で、幅広の縁側が気持ち良い雰囲気を醸し出している。しかしながら、実際のところの縁側は、冬は隙間風のために過ごしにくく、夏は建具を開放したいものの建具の経年劣化で開かず、台風などの際には重たい雨戸の開け閉めに苦労しており半分閉めっぱなしとなっており、生活主エリアではないこともあり、ほとんど人の出入りのない収納のような位置付けとなっていた。

施主様は、本家でもあるためお座敷に来客も多いことから、皆が気持ちよく庭を楽しみながら過ごせる縁側を復活させたいと考えた。

ポイント1:そこで、思い切って、縁側の窓を複合サッシ・アルミ製の雨戸に変更したが、外観は雰囲気をできるだけ損なわないよう既存の杉の戸袋の再利用・既存の玄関ドアに合わせた格子窓を造作し、内観はゲストをおもてなしするための飾り棚をデザインした。

ポイント2:また、これまでゲストは施主様と共用の水回りを使っていたが、今後は気兼ねすることなく宿泊できるように、既存のトイレエリア(冬は凍てつく寒さだった)をトイレ・シャワー・ミニキッチンとして使えるスペースに改修、壁と床に漆喰を塗り込めたぬくもりある暖かな空間づくりを行うとともに、小さなシャワーユニットではあるもののミストサウナを導入することでゲストや施主様の普段使いの満足度も高めた。

ポイント3:そのほか、かつて中途半端に改修されたトタンの外壁を焼杉の押縁に改修、無断熱の床と小屋裏に断熱材を追加等、外装劣化・断熱対策を中心に、現代にあった快適な住環境とするための修繕を行った。

その結果、縁側・お座敷が夏は涼しく冬は暖かく、お庭の出入りもできるようになり、来客が快適に宿泊できるスペースとして大活躍、当初のきっかけであった雨戸の開け閉めも苦労がなくなったと嬉しいお声をいただいている。

<概要>
プロジェクト期間|2021年8月〜2023年3月
設計監理|梅﨑裕子
施工|若尾建設株式会社
建設地|福岡県糸島市
建物概要|伝統工法木造住宅

ご計画はいつの間にか始まっているもの。

ちょっとした疑問やご不安、
まだ遠く将来の夢、
まずはお聞かせください。