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2024.04.01

マイナス金利解除における住宅ローンへの影響と対応策

目次

マイナス金利に関する記事の後編です!
前編の記事はこちら↓
https://yukoumesaki.com/management/364/

1、マイナス金利解除の背景
2、変動型金利の構造
3、固定型金利の種類
4、住宅ローンを選ぶ際のポイント
5、まとめ

1、マイナス金利解除の背景

マイナス金利政策とは、日本銀行が景気刺激策として導入したものです。通常、金融機関は日銀にお金を預けると利息を受け取れますが、マイナス金利では、逆にお金を預ける金融機関側が日銀に手数料を払う仕組みです。そうすることで、金融機関が資金を日銀に預けずに低金利でも企業などに貸し出すように仕向け、景気を押上げることを狙った金融政策でした。しかし、最近では景気の回復とインフレの抑制が見られるようになり、日銀はマイナス金利政策を解除することを決定しました。最近になって、物価の上昇が賃金の上昇につながり、それがまた物価を押し上げ、賃金のさらなる上昇につながる好循環が期待できる環境改善が続いてきました。人件費の増加が反映されやすいサービス価格の上昇が続いており、更に2024年春闘の平均の賃上げ率が33年ぶりに5%を超える高い水準となり、去年に続いて大幅な賃金上昇となったことで、日銀は「賃金と物価の好循環」が見通せるようになったと判断したためです。

2、変動型金利の構造

変動型金利とは、基準金利に各銀行が設定するα金利を加えたものです。
◾️変動型金利 = 基準金利(各銀行が決める短期プライムレート+α金利)−優遇金利(借りる人の収入や購入物件などに応じて決定)
 短期プライムレート(通称、短プラと言われる優良企業向けの1年未満の貸出金利)と呼ばれる金利は、日銀の政策金利に影響されやすく、政策金利の上昇が変動金利に直接影響を及ぼします。仮に変動金利が上昇しても、ローン返済額がすぐに増えることは考えにくいのですが、ローン返済は20年、30年といった長期にわたります。今後も物価上昇率2%の状態が続いて日銀が金融緩和を徐々に縮小すれば変動金利も上昇に向かう可能性もあり、そうすると、変動型ローンでは毎月の返済額が上昇するため、金利上昇時の返済負担増加に備えて固定型に切り替えることを視野に返済額増加への対応策を用意しておく必要があります。

3、固定型金利の種類

固定型金利には、全期間固定型と固定期間選択型があります。全期間固定型は、借入金利が完済まで一定の水準を維持するため、金利上昇時のリスクを軽減する効果があります。一方、固定期間選択型は一定期間の金利が固定され、その後は変動する仕組みです。そのため、固定期間選択型は金利の変動リスクを軽減しつつ全期間固定型ほど金利が高くないのが魅力です。

4、住宅ローンを選ぶ際のポイント

住宅ローンを選ぶ際には、金利だけでなく返済条件や手数料、適用される保険なども考慮する必要があります。また、将来の金利上昇に備えて金利変動時の返済額増加への対応策を見直すことが重要です。ローンの借り換えに加えて、個人が取れるもう一つの対策は繰り上げ返済という選択肢もあります。毎月の返済とは別に元金の一定額を前倒しで返済すると、返済した分の利息がなくなることから金利上昇時の返済額の増加幅を抑えることができ、実際に金利が上がってから対応しても効果が見込めます。これらの選択肢を踏まえ、金融環境や返済能力やリスク許容度に応じた適切な住宅ローンを適宜選択することが必要です。以下のシミュレーションでは、4000万円を期間35年で年0.5%の変動金利で借りた場合、3年後に年1.8%の全期間固定型に借り換えた場合を比較しました。そうすると、借換え後の月返済額は約13万円となり、借換え前の10.4万円から約3万円増加しますが、15年目には逆転します。住宅ローンの残期間が約20年以下なら、全期間固定型より金利が低い10年間の固定期間選択型がおすすめです。

5、まとめ

マイナス金利解除に伴う住宅ローンへの影響は様々ですが、適切な対応策を取ることでリスクを軽減することが可能です。金利の動向や自身の家計状況を十分に考慮し、専門家のアドバイスを受けながら、最適な選択を行うことが大切です。

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