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2023.03.11

建方(プレカット材搬入)No.2-1

この記事の目次

1、住宅工事の全体の流れ
2、動画でサクッと見学、住宅工事
3、建方(プレカット材搬入)のお話し
4、この工事で設計者が確認していること
5、この現場の独特なポイント – トシログ モデルハウス

1、住宅工事の全体の流れ

この記事は以下の流れの中で、★印の工程についてです。

1)事業・基礎
2)建方(★プレカット、床組、建方・上棟、仮筋かい、金物)
3)屋根
4)木工事
5)外部サッシ
6)配線配管
7)各職人工程
8)外構

2、動画でサクッと見学、住宅工事

タイトル:建方1(プレカット材搬入)※ご注意:音声あり

3、建方(プレカット材搬入)のお話し

プレカット材の搬入です!福島県の山から切り出した木材を地元の材木屋さんが加工し、10tのウイング車に載せて、はるばる神奈川まで運びます。

工務店へプレカット材の搬入後は、工務店さんが資材を仕分けをし、現場に搬入されます。この上手な仕分けも、現場の効率化に重要な技術です。

プレカットとは、構造材を事前に機械で加工することです。昔は熟練の大工による手刻みで行われていましたが、最近ではほとんどプレカットに代わってきました。メリットとしては、事前準備により精度の高く部材を加工できることと、それにより現場の品質と生産性、安全性が上がり、工期短縮やコスト低減にもつながっていきます。

4、この工事で設計者が確認していること

プレカット材ができるまでの流れとともに。

(1)構造図の作成
平面図・立面図・断面図などから、構造材の寸法や金物などを詳しく記載した構造図を作成。構造計算によっては、平面図や断面図なども変わってくるので、双方向で最終の調整を行います。

(2)プレカット図の作成
プレカットの工場と、構造図などをもとに打ち合わせを行い、プレカット工場がプレカット図面を作成します。

(3)プレカット図のチェック
・樹種:柱・梁それぞれの特徴を踏まえた選定、防蟻対策の観点、コストや構造の観点の選定等。樹種のほか、無垢材か集成材かの選択肢もある
・基礎寸法:通り芯、部材の幅や高)、基礎の位置
・構造部材:通り芯、部材の幅やせい(高さ)、壁の位置、本数
・構造図に現れない部材:床:根太・床板、壁:間柱、天井:垂木、窓:まぐさ、階段、屋根:野地板、、、などの樹種・位置・本数・割付・クリアランス
・屋根:勾配や形状、ケラバや軒の出寸、
・継手や仕口(接合結合):土台と土台の継手位置、柱梁土台が交わるポイント及び梁・母屋が交わるポイントの架け方や切り欠き、ブレースとその周辺部材の取り合いの確認
・基礎との関係:土台の継手(腰掛け蟻継または鎌継)の下部が換気口など構造的に弱い部分となっていないか
・金物:金物の種類(特に重要なホールダウンやアンカーボルト、設置位置)、金物の取り付け位置や方向
・ベランダやロフトや小屋裏の結合
・化粧部材の位置:壁で覆わず、部材を仕上げとして表しにする場合は指定する、プレカットでの仕上に関わる
・現場カット部材の位置:現場で部材をカットし合わせる方が合理的な部分は指定する

5、この現場の独特なポイント – トシログ モデルハウス

今回は一般的な構造材のプレカットに加えて、壁のパネル部のプレカットがあるため、その木材の本数は通常の住宅の4〜5倍にあたる1200本!工務店の資材庫もいっぱいです、、、!工務店さんが「作業場の広さが役立ってよかった〜」なんて笑いながらおっしゃっておりましたが、本当に助かりました。広い作業場を構えている工務店さんばかりではありませんので、ケースバイケースで対応考えていく必要がありますね。

プレカット図も、構造材分と壁のパネル分と2種類作成しておりますが、その際の苦労したポイントについて。前提として、この壁パネルは何しろ厚みが105mmもあるので、外壁のスリーブ(設備の配管の貫通部分)を現場で開口するのはなかなか大変です。そこで、給排気の100φ以上の大きめなスリーブについては、事前に念入りに計画し工場で開口してもらいました。給排水や電気など小さめの50φくらいのスリーブは、事前の計画は手間がかかりすぎることと、職人さんでも比較的容易に開けられることから、一般的な手順通り現場開口する方が総合的に効率的だと判断しました。

樹種についてですが、今回はオール国産無垢材。特に”オール”にこだわっているわけではなく、構造材は集成材でも良いかと思っております。コストや市場の状況に合わせて合理的な材で対応していきたいと考えております。

【現場のご説明】

高性能でコスパの良い 「都市型のログハウス」を作れたら。無垢材の木の恩恵・ぬくもりに包まれる住み心地を、山や海辺の暮らしだけでなく、都市の暮らしといった多様なスタイルのある暮らしに馴染むように。私たちは “トシログ(都市ログ)” という愛称で、このプロジェクトを育てています。

2021年春、アトリエM.A.R.で「都市型のログハウス」一棟目の構想が始まりました。福島県会津の地で芳賀沼製作さんのパネルログ構法との出会い、都市に馴染む性能とデザインの検討、ウッドショック等でのコスト・計画変更、初めての構法による工事に試行錯誤すること2年半、チームの技術と熱意を詰め込んでいます。

ご計画はいつの間にか始まっているもの。

ちょっとした疑問やご不安、
まだ遠く将来の夢、
まずはお聞かせください。