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2023.02.13
地業・基礎(立上り打設・仕上)No.1-12
この記事の目次
1、住宅工事の全体の流れ
2、動画でサクッと見学、住宅工事
3、地業・基礎(立上り打設・仕上げ)のお話し
4、この工事で設計者が確認していること
5、この現場の独特なポイント – トシログ モデルハウス
1、住宅工事の全体の流れ
この記事は以下の流れの中で、★印の工程についてです。
1)事業・基礎(遣り方→根切・地業→型枠→捨てコン→配筋→スラブ基礎→★立上り基礎)
2)建方
3)屋根
4)木工事
5)外部サッシ
6)配線配管
7)各職人工程
8)外構
2、動画でサクッと見学、住宅工事
タイトル:地業・基礎18(立上り打設・金物)※ご注意:音声あり
タイトル:地業・基礎19(立上り打設・仕上)※ご注意:音声あり
3、地業・基礎(立上り打設・仕上)のお話し
基礎の立上り部は、「打設コンクリート」+「仕上モルタル」で完成です。
動画の中のインタビューで基礎屋さんがご説明されているように、打設コンクリートだけだと、基礎天端(基礎の一番上の面)が凸凹してしまうため、その上に土台を載せた時に隙間ができてしまうのです。
その昔は、天端の位置を墨出しをした上でコテで行っていたそうですが、人の手で全体が水平にもならないし、フラットにもならず、精度が難しかったそうです。
現在は、「レベラー」と言われるタグのようなものを鉄筋にくくりつけて、まずはコンクリートを打設したあと、次の日にサラサラとした仕上げモルタルをザーッと流し込んでいます。仕上げモルタルは正確にはセルフレベリング材といい、自重で水平を形成するセメントを主とした材料のことです。写真の1枚目が施工前、2枚目が施工後。
続いて型枠脱却後、型枠のビス止め跡の小さな穴もきちんと埋めます。丁寧な作業ですね。
ようやく基礎の完成です!
4、この工事で設計者が確認していること
金物の確認:重要な金物には、ホールダウン(基礎と柱を緊結)やアンカーボルト(基礎と水平な構造材である土台を緊結)がありますが、これらが打設後に傾いていないか確認します。打設前よりもわかりやすいので、数量や位置を再度確認します。
仕上げモルタルの確認:高さが設計図書通りか確認しています。
コンクリートの仕上がりの確認:「ひび割れ」や「ジャンカ」がないか確認しています。「ひび割れ」は放置すると水分が蒸発しさらに大きくなっていく。「ジャンカ」とは、コンクリートの材料である、セメントと砂利や骨材が分離し、脆くなっているザラザラとした表面のことで、生コンを一気に流し込んだ際に空気が逃げ場を失った結果できるもの。いずれの場合も問題の範囲、原因究明、補修が必要。
5、この現場の独特なポイント – トシログ モデルハウス
この計画は第一種換気を採用しており、空気を送り出す配管はシンプルに短く、床下そのものを空気の通り道(チャンバー空間)として計画しています。そのため、空気が淀みなく家中を巡るよう、人通口をできるだけたくさん計画しています。
また、基礎内部も室内としており、コンクリート打ちっぱなしや、OAフロアとすることで、床下自体が少なく、メンテナンスが容易となるよう計画しています。
立ち上がり部の周囲の青い板は、外断熱のスタイロフォームです。最終的にモルタルで仕上げます。
【現場のご説明】
高性能でコスパの良い 「都市型のログハウス」を作れたら。無垢材の木の恩恵・ぬくもりに包まれる住み心地を、山や海辺の暮らしだけでなく、都市の暮らしといった多様なスタイルのある暮らしに馴染むように。私たちは “トシログ(都市ログ)” という愛称で、このプロジェクトを育てています。
2021年春、アトリエM.A.R.で「都市型のログハウス」一棟目の構想が始まりました。福島県会津の地で芳賀沼製作さんのパネルログ構法との出会い、都市に馴染む性能とデザインの検討、ウッドショック等でのコスト・計画変更、初めての構法による工事に試行錯誤すること2年半、チームの技術と熱意を詰め込んでいます。