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ブログ・お知らせ
2025.05.31
古民家移築再生・小田急KATARITSUGIオープンハウスに行ってきました。

小田急電鉄さん✖️古民家再生協会の、古民家移築再生の第1棟目、神奈川県開成町にあるモデルルームのオープンハウスに行ってきました〜。電鉄会社としては全国初の取り組み!語り継ぐべき良質な古民家・古材を自然豊かな小田急沿線に移築し、新しいライフスタイルを提案するプロジェクトです。
https://www.odakyu-chukai.com/kataritsugi/mind/
小田急不動産の皆様、古民家再生協会の新潟支部大沼さん、同じく空き家アドバイザー協議会高橋さん、古民家を提供くださった新潟県阿賀町の自治体や提供者の方、新しい取り組みに、足掛け3年、様々なご苦労があったかと思います、、、本当にお疲れ様です。
新しい古民家の価値創造、楽しみです!



(1)関係者の皆様の心に残ったキーワード
・日本各地に眠る古民家という資産、継承すべき良質な古民家が行き場を失っている
・5年後10年後には、環境の面、空家対策としても世の中の当たり前にしたい
・「物」ではなく家の「歴史・思い」に価値を見出す
・大変だけどやってやろう!と技術力のあるベテラン大工さんが活躍する、若手大工がものづくりを面白いと思えるプロジェクトにしたい
・コスト・お仏壇・相続・本家問題でなかなか撤去できない事情があり空き家は増えるなか、持ち主が笑顔で!解体に踏み切れる。※新潟県阿賀町の空き家試算1200棟(古民家は1-2割)/ 全国900万戸
(2)建基法?技術?コスト?
【建築基準法の位置付け】
今回ベースとなった古民家は新潟の阿賀町の古民家。厳密に言うと、古民家移築ではなく、古材を活用し住まい手の暮らしに合わせてオーダーメイドでの新築、柱や耐力壁などは新材で、在来工法で確認申請をとって設計された建物です。よって、今回はベースとなった古民家のそのうち梁を活用しています(雪国の梁はとても立派で、5間・9mの梁なんかも普通に使われる!)。
【技術】
古材は300年使えると言われており、今回の古材は築160年ですから、これから強度が増す、まだまだ現役です。一度、梁の含水率を0にし表面含水率を15%に戻すなどで新たに活用できる状態にし、モデルハウスの5mを超える吹き抜けなどで構造材として使う。全体としては構造材の20%が古材です。ちなみに、設計者としては、梁が重なると積み上がった高さを考慮して設計する必要がある、高さを出すと柱の座屈も考慮しなければならない、など複雑です。
【コスト】
当然ながら新材で全てを作ったほうがコストは安価でしょう、しかしそこには歴史があり、文化があり、想いがあります。小田急さんによると、坪130万円くらいで(撤去費別)で、リリースするとのことでした。

↑事業スキーム

↑既存建物。

↑茅葺き屋根の撤去だけでも、思っている以上にとても大変。60坪の平家ですが、10tトラックで7台分くらいありました。茅葺きがなくなって、一本一本丁寧に梁を選別・撤去。

↑その後建て方
(3)モデルハウスの見学










(4)プレスの様子
上から順に、小田急不動産さん、古民家再生協会井上顧問、大沼さん、高橋さん、小屋伏図など







小田急不動産KATARITSUGI公式サイト
https://www.odakyu-chukai.com/kataritsugi/
古民家再生協会公式サイト
https://www.g-cpc.org/about/branch